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The blue bird flies away

- 『Beyond the Bounds』 / 木村真紀

彼女たちはどこへ向かうのか:『まほいく』を契機として思うこと

Category: 考察 アニメ

ツイッターのほうではあまり話題にはしないのだが、ボクが今期見ているアニメの中にも『魔法少女育成計画(略称:まほいく)』がある。
魔法少女を扱った作品にしては珍しく物語の本筋や描写が陰惨であり、それそのものは取り立てて目新しさがないもののそのギャップが受けているらしく(+それぞれの思う大小様々な百合成分と合わせるなどして)よく話題になっている。
個人的には、さほど話題にするほどハマっているワケでもないのだけど、なぜか追うのを止めようという気にもならない。
そんな『まほいく』を見ているうちに色々と思うことが出てきたので、取り留めがなくなるかもしれないがこのエントリーで書き殴っておく。

まどマギとの比較がやたら多いのはなぜなんだろうか

これは前評判を目にしたときからずっと思っていたことだった。
「まどマギより過激だ」。「まどマギのほうが面白い」。果ては「まどマギのパクリなんじゃないか」。
ボクの観測する範囲では、とにかくこの視点をよく見聞きする。
個人的に比較を多用する見方は控え目にしたいと思っているし、況して「○○のパクリだ』というつもりはないのだけど、この作品に感じることを踏まえてボクの思うところを述べると、
アニメ『まほいく』は『仮面ライダー龍騎』と比較して見ると面白い(1)
という結論になる。

というのも、仮面ライダーへの熱が周期的に到来する中で『龍騎』もリアルタイムで見ていた自分にとって、アニメ『まほいく』には『龍騎』を想起する点が多く見受けられたからだ。
仮面ライダーは昭和の頃から、悪を挫く英雄として描かれてきた。
魔法少女は『ひみつのアッコちゃん』『魔法のプリンセス ミンキーモモ』『美少女戦士セーラームーン』のように、物理法則を凌駕した力を使って諸問題を解決する(またはコミカルな問題を発生させる場合もある)キャラクターであるとされる。
『龍騎』『まほいく』の両者が、このようにヒーロー・ヒロインのような形で固定化された概念として描かれてきたキャラクターが一転して自らの欲を剥き出しにして互いに戦う側面を描写するという、1ジャンルの中での新開拓地であることは特筆に値するように感じる(2)(3)。
作品誕生の背景が背景なら内容も内容で、
半ば必然的にバトルロワイヤルへと発展し、主人公がそれに巻き込まれる
世界観における人物のうち、魔法少女|ライダーの資格を得るのは極一部である
魔法少女|ライダーの資格を失うことも敗北=死に直結する
主人公と目される人物が複数いる
そのうち同作中における公式の主人公は無意味な殺し合いをしまいと抵抗している
快楽殺人者として描写されている人物が存在する
といった共通点がある。
当然両者に両者なりの面白さがあり、特に自らの願いを叶える対価として唐突にフィールドへと投げ出され戦い合っていくことと、憧れを持っていた概念の裏にある理不尽なシステムとも同時に対峙しつつ戦い合っていくこと、といった、世界観を根源とした異なる背景のどちらに魅力を感じ入るかは人それぞれだろう。
ただ、『まほいく』を『龍騎』と比較した見方は『まどマギ』とのそれに比べて少ないように感じられたので、『まほいく』と『まどマギ』の両方に触れた方にはぜひ『仮面ライダー龍騎』も試聴してもらえたらと思う。

魔法少女の行く末やいかに

もうあんまり他のことを書く気力が出なくなってきたのでもう1つ、これをテーマとして締めに入りたい。
日常の問題を解決する魔法少女、悪を挫く魔法少女ときて、次はどういった魔法少女が話題を攫っていくのか、その動向にも注目したいところ。
個人的には人類の進化形を巡って登場人物が変身する資格を奪い合う魔法少女とか、良いんじゃないかなと。

……この説明で元ネタ分かるのかな。


  1. なぜ龍騎が出てくるか勘の良い方はお分かりかと思いますが、まどマギ脚本の虚淵氏が龍騎をリスペクトしている縁です

  2. いわゆる『邪道魔法少女』は、そもそも魔法少女という概念をギャグのネタとして通底させた土台の上に確立したジャンルであるため除外しています

  3. 力を行使することで問題を解決するという展開は実のところまどマギでさえ生きている物で、残酷な描写や魔法少女同士が対立する展開は単なる作劇上の結果であり決して魔法少女システムがもたらした必然ではない(むしろ対立が起こる運命を変える結果を目的として行動していたこともある人物がいる)ことから、まどマギが話題になった背景は魔法少女の本質とあまり関わりがないという見方をしています

Written on 2016/11/24