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男体化と女体化を踏まえて見る「物語のシミュレータ性」

Category: 考察

ブログを初めた当初、1ヶ月に1度は何か記事を書けたらいいなーと思ってたんですが、8ヶ月目にしてその目標の達成に失敗しました。
というワケで、今回の記事の本題です。

男体化と女体化(本エントリでは以降「性転換ネタ」と呼称します)。
このジャンルはとにかく人を選び、受け付けない人はとことん受け付けない一方、狂信的なファンもいることで評判です。
ボク自身以前は到底理解できるジャンルでもなく、その隆盛に見える理を自分なりに認めた今でも、まだまだ謎が深い物として扱ってきました。

なんで性別すら変える必要があるんじゃ。

正直ツッコミどころは他のジャンルと比較しても夥しいと感じますが、その筆頭はこれです。
キャラ崩壊やパロディなど、意図して元のキャラを崩した上で描く2次創作は山ほどある。
それが2次創作として成立しているのは、客観的に見てそのキャラの同一性を担保できる要素が残っているためです。
即ち外見さえ頼りとして残っていれば、最低限そのキャラだと誰が見ても察することはできるということです(納得できるかはまた別として)。

これほど大事な外見に関わってくる要素である性別を、なんで変える必要があるんじゃ。

大事なことなので二度言いました。
とにかく意義の分からないこの点が、性転換ネタというジャンルを捉えようとする自分の目の前にはいつも鎮座している。
それこそ、ひょっとして自分がこのジャンルに関する知識を何か欠落させたままになっているんじゃないかと疑うほど。

そんなワケでpixiv大百科とニコニコ大百科の記述を見返してみましたが、特に自分の知識の漏れはなく。
正直言って、生来様々な人たちから理屈っぽいと言われてきた融通の効かない自分の思考を、また恨めしく思いかけていました。
しかし、自分に欠けていたのは性転換ネタに対する知識そのものではなかった。
やはり新たな視点の開拓だったワケです。

男装とは異なり、服装や雰囲気だけではなく体つきも同年代の男性のものに変わる。 一言に男体化といっても具体的には身長が高くなったりするほか、筋肉がつき肩幅も広くなって男らしい体つきの成人になったり壮麗なイケメンだったり、 元が小中学生くらいの女の子であればショタっ子に変わったりもする。 身体のみならず中身も女性的な人物が男性の身体になったことで思考も男性のものに変わり、 男性だけの生理現象に戸惑ったり男性よりも女性に対してドキッとしたり恋愛感情を持ち始めたりと心境の変化が描かれるのも醍醐味の1つとされる。 (ニコニコ大百科:男体化より 2017/4/8閲覧)

男性だけの生理現象に戸惑ったり男性よりも女性に対してドキッとしたり恋愛感情を持ち始めたりと心境の変化が描かれるのも醍醐味の1つとされる。

!?

これ、キャラ自体に目を向けてたら絶対気づかない目線じゃん。

ボクがここから性転換ネタに関して読み解いたのは、おそらくこのジャンルが根本的に、キャラでも物語でもなくシチュエーションに寄った位置付けの機能を持っているであろうということです。
つまり、「この状況を与えた場合このキャラはどういう思考でどういう行動を取るだろうか」ということを突き止める上で、性転換ネタは1つの非現実的な状況を叶える代物と言えるワケ。
なんでそういう状況を要するのかという必然的な意義は、やっぱり微妙に分かりませんが。
これだと、なぜか性転換ネタの項目にキャラ単体よりCPに関係する記述が多いのも個人的には頷けます。
おそらくキャラを重視して見た場合、CPというのはキャラ個人より、そこに与えられるシチュの意味合いが強いから。

さて、ここでボクはとある別の疑問を抱えます。
「あれ? "シチュを与える" って何だ?」

物語には、指定された世界観の中で生活を営む登場人物の行動や心理をシミュレートする機能がある
そんな趣旨の話を、何度か聞いたことがあったのです。
ボク自身この考え方はあまり腑に落ちず、話半分で聞いていましたが、今回のことでその本質をだいぶ理解できました。

端的に言うなら、キャラの行動指針を引っ張り出すのがシチュ。
そして性転換ネタは、キャラの行動及びその法則自体でなくそこに付随する心理を調べる上で成立したシチュの1つなんじゃいかという感じ。

たぶん、ですけど。

Written on 2017/04/09