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「私たちはヤギじゃない」

- 『仮面ライダージオウ』18話 / ウォズ(黒)

2次創作者は2次創作に触れて2次創作とその作者に大きく手を振る

Category: 考察 2次創作

どうして2次創作をやろうと思ったのか。
どうして2次創作者と接点をもとうと思ったのか。
どうして原典の作者に目を向ける意識が人並には定着しなかったのか。
2次創作者として原典をどんな目で見るべきなのか。
常々真摯に向き合おうとしてきた数々の命題。
創作の手が止まる度に、見つかるかも判らない答えを探して原点に立ち返ってきました。
それらが全部、今日初めて1つに繋がった気がしたのです。

原典と2次創作が対等じゃないなんて当たり前だろ

1つのオリジナル作品には、得てして感想や解釈が受け手の数だけ存在します。
受け手はしばしば感想を公的な空間に垂れ流し、そしてしばしばそれが元で共感や対立を生んだりします。
つまりは創作物に対する見方が唯一ということなど基本的にあり得ないワケで。
ゆえに受け手は何らかの手段を通じて創作物への見方を増やし、またアップデートしていきます。

その手段は大きく分けて2つ。
1つは、原典を何度となく読み返すこと。基本中の基本です。
もう1つは、最初から共有を目的として原典への見方を伝え合うこと。そんなのやる必要ねえ、ってことも場合によってはありますが。
ボクにとっての2次創作とは、須らく後者から派生するものなんです。
もっと言えば解釈が唯一であるハズのない「創作物」をどう解釈するかにおける指針
当たり前ですがただの解釈に過ぎない2次創作が原典と対等であるワケがありません。
極論、2次創作なんかなくても原典の受け手に何ら問題は起こり得ないので。

2次創作は「写真」

1次創作者は、世界を創出します。
そしてそこで動き回る登場人物、息衝く有象無象や世界全体を描き出します。
2次創作は、そんな作品に見方を与えます。
2次創作者が受け手として抱いた感想や解釈の裏付けたる、世界の切り取り方と表現できるモノです。

作品が見えるか見えないかではなく、見えることを前提とした上で「どう見るか」が2次創作の肝で。
それはボクなりに例えれば「写真」になる。
自分の目で世界の全てを把握できたらそれが一番なのは言うまでもありません。
でも、写真を見て「すげえ!」と感銘を受けた経験は多くの人にあるでしょう(……ない人向けの比喩もあるにはありますが、そっちは抽象度が高すぎるので今回は割愛させてください)。
原典=元の世界の素晴らしさは、2次創作=写真によってより捉え方の確度を上げることができます。
自力で原典への特筆すべき見方を発見できたと思ったから2次創作をする人がいるし、他人の2次創作が一見に値すると感じればそれには然るべき賞賛を送る。
前者はボクが2次創作を続ける限り、矜持をもって死守する1つの答えです。
一方後者に関しては、個人談としてもう少し続きがあって……

1次創作は作者と不可分、2次創作は作者と可分

真摯に作られた2次創作には、真摯に向き合うのが礼儀。真摯に作品を生み出す2次創作者にも、真摯に向き合うのが礼儀。
写真家である2次創作者は原典の見方を写真=物語でしかできない形で提供してくれるからこそ、ボクは2次創作とその作り手に感謝・評価・敬意・賛辞を送ります。
これはボク自身のスタンスでもありますが、一方で1次創作者は真摯に作品を生み出していたとしてもあまり目を向けようとした覚えがありません。
況して「真摯に作られた1次創作」なんてあまりに定義が困難だと感じていて、真摯か否かの線引きをしようと考えたことすらそれほどありません。

これは、ボクが原典への真摯な向き合い方として「作者の意図をなるべく切り捨てようとしている」からです。
オリジナルの創作物は、誰の感想も解釈もないフラットな世界。
そこに向けられた視線は例え原作者のモノであっても邪魔物でしかない。
1次創作者の端くれでもあるボクはそんな風に考えていて、だからこそ作品に向ける視線に全ての神経を使おうと心がけているのです。

……まあもっと言ってしまえば、作品は好きだけど作者に問題があって好いていない、ということもままあるんですね。ボクの場合。
人間誰しも皆不完全ですから、1つや2つ問題があったって良いじゃないか。とは思います。
しかしその問題点も、看過できるかどうかは別問題。
そんなしょーもない理由で作者を遠ざけている作品も、実はあったりします(どんな作者に対しても敬意はありますし、作者の先生に好感もってる作品だってちゃんとあります)。

終わりに

2次創作とその作者を不適切に形容したくはない。
1次創作者の端くれでもあり2次創作者の端くれでもあるボクのスタンスは、そんなとこ。

Written on 2019/10/18