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- 『ラブレター。』 / Burnout Syndromes

大人でもない、子供でもない、かわいい高校教諭(8)の不思議な感性:『しょうこセンセイ!』21話

Category: 漫画 感想

さて。
いきなりなんですけど。

21話より

この扉絵のしょうこセンセイ、可愛すぎてもはや暴力的じゃないか……?????

13話が掲載された頃、ボクの中で脊髄反射的に「かわいい」と言ってしまうまでになったしょうこセンセイが、ついに新たなフォルム(髪型)を見せる回がやってきました。
今回も扉絵を一見して「かわいい」と呟くつもりが驚いて断末魔を漏らしたみたいになったのは、ボク個人の小ネタにできねーかなと思うほど。
ツインテ自体、女の子が歳を経るに従って見られなくなる髪型ではありますが、その中でもカントリースタイルのツインってしょうこセンセイくらいの女の子の特権なんじゃないか?
……そう思えるくらい、今回のしょうこセンセイはかわいい。
こんな回の告知で一度画像を出し損ねるとか編集部、いくら人にミスは付き物だとしてもちょっとタイミングってモノがですね……
小言はさておき、元々女性の髪型が一時的に変わることへ言い知れないほどの魅力を感じているボクにとって、これは改心の一撃でした。ズルすぎる。

そんな21話ですが、これを凌ぐほどかわいくまた意義深くもあるしょうこセンセイの表情がまだまだあったのでした

参照:P119

皐月高校の先生陣で出店する慣例のある秋祭り。売り物の焼きそばが捌けた側から羽目を外し始めた余市先生と佐久間さんの煽りを受けて(違う)、アルコールの匂いにやられてしまったしょうこセンセイ。

そんなしょうこセンセイが日頃フリーダムな振る舞いを自重しないローゼス姐さんに説教を始めますが、当のローゼス姐さんは「ショーコは酔うとメンドクサイ」と一蹴してしまいます。
その一言でしょうこセンセイはショックを受けて泣きじゃくり、然しものローゼス姐さんも堪らず慰めるものの結局上手くいかずじまい……
という、副題「めんどくさい翔子」1と2を合わせて8コマの流れの中の7コマ目。

泣きじゃくるしょうこセンセイがもう恐ろしくかわいい

ただこれ、かわいいと感じたのがボクとしては非常に不思議でした。
ボクは「年甲斐もなく号泣する女性」を嗜好してもいるんですが、それは子供には適用されなかったハズで。
それに則すと、やはりしょうこセンセイはボク個人の中で少なくとも「単純な子供ではない」となるんですね(いや今までもそうでしたが、今回はかなり核心に近いモノがありました)。
じゃあしょうこセンセイって本作においてどんな存在なんだろう? とちゃんと突き詰めてみたくなってしまって。

で、せっかくだからこれをちょっと分析してみようの巻

他者に説教食らわすのは、まあ明らかに大人の姿です。
対象であるローゼス姐さんは年上であり、しょうこセンセイと同じく高校教諭で同僚でもありますが、彼女がよく見せるフリーダムな振る舞いそのものは概して幼さの側面ですから、ここでの構図としては「しょうこセンセイ>ローゼス姐さん」となるでしょう。
説教ってのは文字通り上から「教え説く」意味合いである点からも、これを疑う余地はないハズ。

その後、説教をローゼス姐さんにめんどくさいの一言で片付けられて泣きに泣くしょうこセンセイ。
これが今回の文脈でしょうこセンセイの感性や精神性を語る際の肝で、「自分を悪しざまに言われたことで泣く」流れそのものは言うまでもなくしょうこセンセイの子供っぽさと断言できます。精神がキャパオーバーした時に取り得る行動として「泣く」のはかなり原始的な感情表現ですし。
一方で泣き出した理由が「『めんどくさい』と評されて悲しかった」からなのは、紛れもなく大人の側面と言えるモノで。と言うのも、しょうこセンセイは人の上に立つ者としてはっきり大人であることを意識し、それゆえ本人なりに日頃から自他を厳しく律しようとしているからこそ、酔っていても尚あの説教なワケです。それにその堅さを疎んじるローゼス姐さんもまた、しょうこセンセイを(そこまでの応対の意味合い上は)小煩い大人として見る視点のまま。そして何より、大人としての振る舞いを疎んじられて不満を隠さないその姿は、まさしく当人なり「理想の先生」や「そんな存在になり得る人間性」を志している、大人びたしょうこセンセイだからこその反応と言って良いでしょう。

そしてこのページ全体のオチもまた実に利いています。
しょうこセンセイを慰めるローゼス姐さんがあろうことか「高い高い」をしてしまい、「子供扱いしないでよーっ!!」と憤慨される図ですが、こういう場合子供扱いをされることで機嫌を損ねるのは、基本的に背伸びを始めた時期の子供の反応
精神は紛うことなく大人びている、けれど欲求や感情に飲まれがちな子供の一面をもち合わせてもいるしょうこセンセイを、この8コマだけ取ってみてもこれでもかと描き切っている『しょうこセンセイ!』は、やはり只者ではない。
「かわいい」とか「優しい世界」とか、そんな簡潔なワードに収まらない魅力をもってもいるのが本作だと、ボクは改めて感じ入るばかりです。

EX. しょうこセンセイや皐月高校の先生方の他の表情と感性

P114-8とP115-4、誘惑に負けて売り物の武装をしてるしょうこセンセイの姿がかわいい。副題「釣られるものか…」→「釣られました」の即落ち。
P115-6、久々の発明品「マネキネコ」お披露目実験でウッキウキの宮城先生がかわいい。その後8コマ目まで「あーっ実験ーっ」な宮城先生と「あーっ分解ーっ」なしょうこセンセイがまたかわいい。
P116-4、婚活女子の悲哀丸出しな余市先生が世知辛い……
P116-8、しょうこセンセイをマネキネコならぬ「マネキショーコ」にする宮城ローゼスコンビ。お互い好奇心旺盛でもある上に、奔放すぎてもいるローゼス先生とその巧みを叶えるのに一番近いであろう宮城先生、仮に何かの拍子でこの二人が結託でもしたら確実にマズいのでは……??
P117-2、そりゃこんな可愛いマネキネコがいたら出店に行きたくなる。これもまた凄まじいかわいさの暴力。
P117-7と8、「生徒や小夜ちゃん達にこの姿見られたらちょっと恥ずかしい」と思う側から坂下姉妹がやってきて吃驚仰天のしょうこセンセイ。この「にゃん」、声に出ていたとしたら実際には濁点がついてそう。そして無邪気な小夜ちゃんとそれを嗜める坂下さんもかわいい。
P118-1から4、7話の飲み会でしょうこセンセイがアルコールの匂いだけで酔いかけたところを見ているハズなのに、余市先生や佐久間さんへビールを運んでくれないか、としょうこセンセイに頼んだ山田先生。それは大失策だと思います。
P118-5から8。先述のしょうこセンセイvs.ローゼス先生の一幕とも繋がりますが、しょうこセンセイもある意味絡み酒気質っぽいので、余市先生とは酔っても馬が合いそう……
P120-4。「年長がその場を仕切るもんすよね」と助けを求める山田先生、おそらく先生が最後の砦です。なじみ先生からも19話(着衣水泳講習の回)の時に多分そうじゃないかってお話を伺えてたっけ。
P120-5から8、しょうこセンセイもいる先生陣の出店に期待してやってきた奈央ちゃんが思わず冷や汗をかく校長先生の気迫。はっちゃけた先生方に対しては最高責任者として当たり前の対応ですが、今回も終始気を揉み続けていた山田先生だけはホントにとばっちり……

終わりに

『しょうこセンセイ!』、主人公であるしょうこセンセイ自身がそれだけで独特な立ち位置なので、つい毎回しょうこセンセイを基軸にした感想になりがちなんですが、各登場人物もちゃんと魅力的なんだからボクの感想スタイルがちょっともったいねーなと思ったり。せいぜいしょうこセンセイと過去にも色々あったであろうローゼス姐さんと、作中でしょうこセンセイラブ勢の筆頭である矢野さんが比較的頻繁に出てくるくらいなので、この点は若干反省。
なんだったら、次に先生方の掘り下げがかかった辺りで敢えてしょうこセンセイからも少し引いて感想まとめてみるのも良いのかもなあ……良いのかなあ。

Written on 2019/11/19